「試した対策」実行機能・不注意・衝動性

タスクを忘れてしまうことの対策|同時処理の負担を減らす整理

タスクを外部化する付箋メモのイラスト。やることを書き出して忘れを防ぐ整理術のイメージ。 「試した対策」
この記事は約6分で読めます。

この記事でわかること

  • 「外部化」とはどういう考え方か
  • 外部化がなぜ同時処理の負担を減らすのか
  • 物理的な外部化(視線に入る場所に置く)のメリットとデメリット
  • メモアプリやスマートウォッチを使った外部化の方法
  • ASD当事者が感じた外部化の効果

この記事の結論は、

「タスクを頭の外に出すことで、忘れにくくなり、同時処理の負担を減らせる」という点です。


はじめに

「あとでやろう」と思っていたことを忘れてしまう。

「次に何をするか」を考えているうちに、今やっていたことが抜けてしまう。

こうした経験は、特に同時処理が苦手な人にとっては珍しくないと思います。

私自身、複数のことを同時に意識し続けるのが苦手で、「覚えておく」こと自体に負荷を感じてきました。

そこで役立ったのが「外部化」という考え方です。

この記事では、私が実際に使っているメモアプリや通知機能を組み合わせた方法までを紹介します。

私としては、大切なのは「一旦、頭の外に出す」という発想であり、道具は自分に合うものでよいと思っています。

※当事者視点の体験です。必要に応じて医師や専門家にご相談ください。


「外部化」とは

「外部化」とは、頭の中で保持しているタスクや情報を、見える場所やメモに移すことです。

たとえば、次のような行為がそれにあたります。

  • 次にやることをメモに書く
  • やるべきタイミングをリマインダーで管理する
  • 忘れたくないものを視線に入る場所に置く

これにより、「次に何をすべきか」を頭の中で抱え続ける必要がなくなります。

その結果、ワーキングメモリへの負担が軽くなり、作業に集中しやすくなると感じています。


なぜ外部化が有効なのか

同時処理の負担

同時処理が苦手な人は、

  • 複数の情報を一時的に保持する「ワーキングメモリ」に負荷がかかりやすい傾向がある、

という指摘があります。

たとえば、次のような状態です。

  • タスクAをしながら「次はB」と覚えておく
  • 時間を気にしながら作業を進める
  • 複数の手順を順番どおりに実行する

こうした、「複数の要素を同時に意識する」状態のことです。

これらの処理は、疲れやすくなったり、抜け漏れが起きやすくなったりするかもしれません。

だからこそ私は、外部化が有効だと感じています。

「考える」と「覚えておく」を分離することで、脳のリソースを「今の作業」に集中させられるようになります。


外部化の基本

視線に入る場所に置く

外部化の中で、もっとも手っ取り早い方法は「視線に必ず入る場所に置く」ことです。

たとえば、机の上に忘れたくないものを置いておくだけでも、外部化になります。

メリット

この方法のメリットは、忘れることへの「対策方法」と「効果」が分かりやすい点だと思っています。

視界に入れば、嫌でも思い出します。

「あとでやろう」と思って忘れてしまうパターンを防ぎやすくなります。

デメリット

一方で、「散らかると効果が弱まる」といった、デメリットもあります。

ひとつだけならいいのですが、いくつも置くと逆に散らかってしまいます。

また、もともと置く場所の周囲がごちゃごちゃしていると、目立たなくなって効果が弱まります。

私は「宝箱が1個だけあると目立つけど、いっぱいあるとどれがどれだか分からなくなる」ようなものだと感じています。

効果を保つために

だから、外部化する際は「優先度が高い情報がたまらないようにする」ことが大切です。

具体的には、次のような工夫が必要だと思っています。

  • 机の上を定期的に片付ける
  • メモを整理して、古いものは処分する
  • 「今、本当に必要なもの」だけを視界に入れる

この下準備をしておかないと、外部化の効果が弱まってしまいます。


外部化を整理する

メモアプリの活用

物理的な外部化に慣れてきたら、次はメモアプリを使って「情報を整理しながら外に出す」方法があります。

メモアプリのリマインダー機能を使えば、「やるべきタイミングで教えてもらう」仕組みを簡単に作れます。

これにより、次のような効果があると感じています。

  • 覚えておく負担を減らせる
  • 抜け漏れを防げる
  • 「忘れるかも」という不安が小さくなる

また、メモアプリは「整理」がしやすい点も魅力です。

物理的に置くだけだと散らかりやすいですが、アプリならカテゴリ分けや削除が簡単にできます。

優先度が高い情報がたまりにくくなるので、「宝箱が増えすぎる問題」を防ぎやすくなります。

大切なのは「すぐ書けて、すぐ見返せること」だと思っています。


外部化を体に近づける

スマートウォッチ

メモアプリで慣れてきたら、スマートウォッチでさらに外部化を加速できます。

ただ、必須ではなく、スマホだけでも十分に外部化は機能すると感じます。

私がスマートウォッチを使って思ったことは、「外部化の手間がさらに減る」といったことです。

腕を見るだけで確認できる

作業中でも、腕を見るだけで通知を確認できます。

ポケットやカバンからスマホを取り出す時間がゼロになります。

振動で気づける

音を消している場面でも、腕に直接振動が伝わるので確実に気づけます。

会議中や静かな場所でも、自分だけが通知を受け取れるのは便利だと感じています。

思考を途切れさせずに行動できる

通知を受けてからわざわざスマホを開く必要がないため、思考を途切れさせずに次に進めます。

その結果、外部化のサイクルとして、

  1. 記録
  2. 通知
  3. 行動

が、より自然に回り始めたと感じています。

スマートウォッチは便利ですが、道具は自分に合うものでよいと思います。


外部化を続けて感じた効果

外部化を続けて感じたのは、「思考が軽くなる」という実感でした。

  • 「次は何だっけ?」と考えることが減る
  • 「うっかり忘れてた」といった抜け漏れが減る
  • 「覚えておかなきゃ」という圧迫感がなくなる

頭の中の情報を減らすことで、余裕が生まれます。

外部化は単なるメモではなく、「思考を分業化する技術」だと感じています。


まとめ

同時処理が苦手なら、無理に頭の中で全てを抱え込む必要はありません。

  • 外部化とは、頭の中のタスクや情報を外に出すこと
  • 最も手軽なのは「視線に入る場所に置く」こと
  • ただし、散らかると効果が弱まるので整理が大切
  • メモアプリを使うと、整理しながら外部化できる

外部化は、脳を支える「補助輪」のようなものだと思っています。

必要な時に利用して、自分のペースで走ればいいのではないでしょうか。