※本記事は広告(PR)リンクを含みます。また、診断や治療を定めるものではなく、一般向けの情報整理です。必要に応じて医師や専門家にご相談ください。


この記事でわかること
- 侵入思考とは何か
- ASD当事者に侵入思考が起こりやすい背景
- 日常生活での典型的なエピソード例
はじめに
ASD当事者として暮らすなかで、突然過去の記憶や嫌なイメージが頭に浮かんで離れないことがあります。
今回は、このような「侵入思考」がなぜ起こりやすいのかについて、体験をもとに整理してみます。
侵入思考とは?
侵入思考とは、自分の意思に関係なく、不快な記憶やイメージが頭に入り込んでしまう現象のことです。
フラッシュバックと似ていますが、もっと軽い形で「ふと浮かんでしまう」場合も含まれます。
ASDの人は、過去の出来事や嫌な記憶を繰り返し思い出してしまうことがあり、これが日常生活の妨げになることがあります。
私自身も、何年も前の小さな失敗を突然思い出して、その時を今のように感じて、それに反応することがあります。
ASDに侵入思考が起こりやすい理由
情報処理の切り替えが難しい
ASDでは、ひとつの情報に集中しすぎて切り替えが難しいことがあります。
そのため、嫌な記憶が入り込むと、頭の中で繰り返し再生されやすいのです。
一度浮かんだ場面を止めようとしても、映像のように続いてしまうことがよくあります。
感覚や記憶のリアルさ
ASDの人は感覚の記憶が強く残りやすく、思い出すと当時の体感までよみがえることがあります。
例えば、昔の失敗を思い出すと、そのときの声のトーンや空気までリアルに感じることがあります。
過去と現在の区切りがあいまい
頭の中で「過去のこと」と整理するのが難しいと、今その場で起きているように感じてしまうことがあります。
そのため、過去の出来事なのに、体が反応してしまい、ため息や独り言が出てしまうこともあります。
典型的なエピソード例
- 職場での小さなミスを、家に帰ってからも何度も繰り返し思い出してしまう
- 学生時代の人間関係の失敗を、大人になってからも突然思い出し、気分が沈む
- 何気ない言葉を「嫌われた」と感じ、何日もその場面を反芻してしまう
これらは私自身にも当てはまりますし、同じように感じる方も多いのではないでしょうか。
まとめ
- 侵入思考は、自分の意思に関係なく浮かぶ嫌な記憶やイメージ
- ASDでは情報切り替えの難しさや記憶のリアルさから起こりやすい
- 過去と現在が区切れず、体や感情が強く反応してしまうこともある
私にとって侵入思考は日常の一部ですが、同じような悩みを抱える人が「自分だけではない」と知るきっかけになればと思います。
おわりに
ASD当事者などは侵入思考が起こりやすく、過去の記憶に引きずられることがあります。
その背景を知ることで、自分の反応を少し客観的に見られるようになるかもしれません。