この記事でわかること
- 行動スピードと情報処理スピードが異なること
- ASD当事者に多い「同時処理の苦手さ」の実感
- 逐次処理の強みによるメリットと困りごと
- 一見普通のミスが「頻繁に起きる理由」
- 苦手さを前提に日常を設計する考え方
この記事の結論としては、
不注意なミスの多さは「同時処理が苦手で逐次処理が強い」という特性によるものだと理解できる、という当事者としての私の体験と理解の整理になります。
はじめに
私は「作業が遅い」と感じたことはありませんでしたが、
- 作業と会話の並行時、
- タスクの割り込みが入る時、
などの場面でミスが妙に多く続いていました。
振り返ると、それは偶然ではなく「繰り返し起きていた特徴」でした。
この記事では、その気づきと理解をまとめます。
※当事者視点の整理です。診断や治療を代替できません。必要に応じて医師や専門家にご相談ください。
不注意なミスの背景
行動スピードと情報処理スピードは別もの
行動自体は遅くないのに、
- 複数の情報が同時に入ると精度が急に落ちる、
これが私のよくあるパターンでした。
たとえば、
- 会話しながら家事をするとどちらかが抜けたり、
- 急な変更が入ると頭が一瞬混乱
したりします。
しかし、身体は動いていても「情報整理が追いついていない」感覚が常にありました。
この体験から私は、動作スピードと情報処理スピードは別物だと感じるようになりました。
逐次処理の集中がもたらす強みと課題
同時処理が苦手な一方で、逐次処理(ひとつずつ処理する方法)には強みがあると感じています。
1つのタスクに深く集中できる反面、そのぶん周囲の変化に気づけなくなることがあります。
丁寧さやクオリティにつながる一方、全体の進行が止まることもあり、私の得意さと苦手さはこの「逐次処理の強さ」に深く関係していると思っています。
同時処理の苦手さはASDと深い関係があると感じる
もちろん、これは私の観察であり、すべてのASDの方に同じ傾向があるわけではないと思います。
しかし私自身の体験では、
- 同時処理が苦手で逐次処理が強い、
という私の傾向は、ASDの特徴として説明される内容と一致していると感じています。
「弱い中枢性統合仮説」という考え方があります。
これは、全体をまとめる処理が苦手で、細部を個別に強く処理しやすい傾向を説明する仮説です。
この特徴は、まさに私の日常と一致していると感じます。
一見誰にでもあるように見えて、実は頻発していた
私がしてきたミスは、内容だけ見れば「誰にでもあるもの」です。
だからこそ、特性とは結びつけず「たまたま」と考えていました。
しかし実際には、その「たまたま」が何度も何度も繰り返し起きていたのです。
「頻発している」と気づいたことで、自分の行動の背景がようやく整理されました。
苦手さを前提に設計する
こうした理解を経て、今では「なぜ自分だけこうなるのか」と責めることは少なくなりました。
同時処理が苦手という前提で、行動を小さく設計し直すようにしています。
たとえば、タスクを同時に抱えない、割り込みタスクにはメモで対応する、時間を区切って一つずつ終える、といった工夫です。
ミスがゼロになるわけではありませんが、仕組みが整うほど混乱は減り、逐次処理は強みとして活かしやすくなりました。
これからも、この前提を持ちながら日常を整えていきたいと思っています。
まとめ
- 行動スピードと情報処理スピードは別物
- ASD当事者には同時処理が苦手な傾向があるかもしれない
- 逐次処理の強さはメリットとデメリットを併せ持つ
- 苦手さ前提の設計で生活は整いやすくなる
同時処理の弱さを理解すると、自分の行動がより納得できるようになります。
私自身、この視点が負担の軽減につながりました。
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