ASD当事者が語る|馴れ馴れしさとASD|愛着障害との違い

ASD

この記事は個人的にまとめた解説です。また、個人的な体験や感想であり、診断・治療を定めるものではありません。必要に応じて医師や専門家にご相談ください。

はじめに

自閉スペクトラム症(ASD)の人は、社会的距離感を調整するのが難しいことがあります。

ASDの馴れ馴れしさの特徴

相手との関係性が「親しい/他人」という二択で捉えられやすく、顔見知りだが知人とまではいかない人などへの接し方を誤りやすいとされます。

店員や受付の人のように「形式的に接する」という社会的ルールが明確な場面では適切にふるまえます。

しかし、顔見知り程度の人に、必要以上に近い距離感で親しげに振る舞ってしまい、「馴れ馴れしい」と見られることがあります。

ASDの理由

暗黙の社会的ルールや距離感などの「グラデーション」を理解するのが難しいことがあります。

また、非言語的な表情や声のトーン、身体の距離が相手に「親しさ」として伝わりやすいことも関係します。

愛着障害における馴れ馴れしさ

一方、愛着障害(特に脱抑制型対人交流障害:DSED)の場合は性質が異なります。

特徴

  • 知らない大人や初対面の人に対しても、境界を意識せず親しく接する。
  • 安全性や相手との関係性を考慮せず、無差別に距離を詰めてしまう。
  • 依存と回避的な態度を行き来するような様子がみられることがある。

愛着障害の背景

幼少期に虐待やネグレクトなど、不安定な養育経験があった場合に起こりやすいとされます。

見分けるポイント

  • ASDでは、相手や場面を問わず「一貫して」距離感のズレがみられやすく、特に顔見知り程度の人との接し方で表面化することがあります。
  • 愛着障害では、相手や場面によって態度が極端に振れる(避ける⇔過剰に近づく)ことが多いとされます。

まとめ

「顔見知り程度の知り合い」に馴れ馴れしくする傾向は、ASD的な「社会的距離感の調整の難しさ」で説明されることがあります。

つまり、無差別に誰にでも馴れ馴れしくなるのではなく、顔を知っている程度の相手など、中途半端な距離に属する人に対して、一貫して距離が近くなりやすいことがある特徴です。

タイトルとURLをコピーしました