「当事者の体験」実行機能・不注意・衝動性

ASD当事者が語る|速さ優先で起きるミスの確認と対処法

「当事者の体験」
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はじめに

私はせっかちなところがあり、早く理解して早く動きたいと感じる場面があります。

しかし振り返ると、スピードを優先した時ほど、結果的に手戻りが増えていることが多いと感じます。

この記事では、ASD当事者の体験として「速さ」と「正解」を分けて整理し、私に効いた確認のやり方を書きます。


第1章 スピードは”悪”ではないが、実行機能の負荷が偏りやすい

私の感覚では、速さそのものは能力というより処理スタイルに近いです。

同じ場面を繰り返すと、型ができて、自然とスピードが上がると感じます。

一方で、初見や例外が混じると、抑制とモニタリングの働きが弱くなり、確認を飛ばしてしまう傾向があると思っています。

私は、こういう時に「確認の段取り」を省略してしまうことが多いです。

結果として、後からの修正で余計に時間がかかることがありました。


第2章 パターン認識の強みと落とし穴

ASDはパターン認識が強いと言われることがあります。

私も、既に知っている型に当てはまる時は、理解が速いと感じます。

ただ、その強さゆえに、自分のパターンだけで進めてしまい、外部の視点や例外を見落とすことがあると感じます。

似ている場面を「同じだ」と見なして、条件の違いを拾い損ねることもあります。

自分の型が通じる範囲では速いのですが、範囲を外れた時に無駄な手戻りが増えることがあると思っています。


第3章 私が確認を飛ばして困った3つのパターン

次のような場面で、私は確認を飛ばして後から困ることが多かったです。

  • 他人のアドバイスより自分のパターンで進めた時
    自分の型が通じる場面では速いのですが、例外や初見が混じると、外部の視点を取り込まずに進めてしまい、無駄な手戻りが増えました。
  • 確認を後回しにした時
    「今は忙しいから後で確認しよう」と先送りすると、ズレが積み重なり、後で見直した時に何が合っていて何が間違っているのか判断がつかなくなることがありました。
  • いつものことだから、とメモを残さなかった時
    ルーチン化された作業は、普段はスムーズに回せます。 しかし、頭が真っ白になった時に、いつものことがスムーズに思い出せず、冷静になれなかったことで滞ってしまいました。

この3つは、私にとって「確認の省略が裏目に出るサイン」として機能しています。


第4章 確認は”遅れ”ではなく”最短経路”だった

以前の私は、「確認=遅くなる」と考えていました。

しかし、第3章で挙げた3つのパターンを振り返ると、10秒の確認で手戻りを減らせる場面が多いと感じています。

一度のミスで、修正に大きな手間がかかることが多かったからです。

私に効いた最小の確認は、次の3つでした。

  • 外部の視点を1つ入れる
    自分のパターンで進める前に、他人のアドバイスや別の説明可能性を1つだけ確認します。
  • 確認を後回しにせず、その場で済ませる
    「後で」は「ズレの蓄積」につながるので、10秒で済む確認はその場で完結させます。
  • ルーチンでもメモを残す
    「いつものこと」こそ、頭が真っ白になった時の保険として、最小限のメモを残しておきます。

この3つは、忙しい場面でも回しやすかったです。 私にとっては、確認の手順を外に出すことで、早さと正確さの両立が少しだけ楽になりました。


第5章 スピードを保ったまま精度を上げる運用(私の型)

私は、スピード自体を抑えるより、速いまま確認を挟む方が現実的だと感じています。

そのため、次のように運用しています。

  • 先に「例外フラグ」を立てる
    新しい場所や例外が混じる場面では、最初に「一旦確認する」と決めておきます。
  • 10秒の確認タイムを固定で入れる
    結論前に10秒だけ使い、「外部視点1つ」「その場で確認」を済ませます。
  • ルーチンは最小メモを残す
    手順が固まっている作業でも、箇条書き3行程度のメモを作っておきます。
  • 雑音や焦りが強い時は、速度段を一つ下げる
    環境ノイズ(音・視覚刺激)や内的な焦りが強い場面では、「一拍遅らせてから確定」を習慣化しています。

この程度の小さな手順でも、私の場合はやり直しが減りました。

“確認=遅い”ではなく、”確認=早く終わるための保険”として扱う方が、長い目では合っていると感じています。


おわりに

早く理解できることは、私にとって確かに強みです。

ただ、速さと正確さは別で、初見や例外が混じる時ほど、確認を飛ばさない方が結局は早いと感じています。

当事者の体験として、同じ傾向がある方の参考になればうれしいです。



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