「当事者の体験」こだわり・常同行動

ASD当事者が語る|なぜか笑ってしまう瞬間

「当事者の体験」
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この記事でわかること

  • ASD当事者の立場から、一人で笑ってしまう場面を解説
  • 情報の結びつきや感情の残り方についての私なりの整理
  • 私に合った、その場しのぎの工夫例

はじめに

私には、ある人を見た瞬間に思わず笑いが込み上げてしまうことがあります。

相手をからかうつもりはなく、好き嫌いとも別のところでスイッチが入る感じです。

最初のやりとりで少し笑ってしまって以来、その人を見ると自動で笑いモードに入ることがありました。

この体験をもとに、情報の結びつきや感情の残り方を整理してみました。

※必要に応じて医師や専門家にご相談ください。

意識していないのに起きる、条件反射っぽい反応

私は意識して笑おうとしているわけではありません。

むしろ笑っちゃだめだと思うほど、笑いが込み上げることがあります。

私の場合、出来事と感情が結びつくと、細部だけの情報で反応がよみがえることがあると感じています。

以前に笑ってしまった記憶が、同じ相手を見た瞬間にすばやく呼び起こされる感覚です。

考えないようにするほど頭から離れなくなることもあり、抑えようと意識しすぎると、かえってそこに注意が集まって反応が強まることがありました。

感情が少し長めに残り、似た刺激で戻ってくる体感

一度起きた感情が私には少し長めに残ることがあります。

時間が経っても完全にリセットされず、似た刺激でふっと戻ってくる感じです。

笑ってしまった瞬間に見ていた表情や、場の空気感、声のトーンなどがセットで記憶にタグ付けされ、後日同じ人を見かけた時に、笑いの記憶ごと呼び出されることがあるように感じます。

場面の一部に強く反応する

相手との一連の出来事を丸ごと覚えるより、場面の一部が強く印象に残ることがあります。

例えば特定の表情やセリフ、ワンシーンなどです。

こうした場面が一部強く残っていると、同じ人を見た→その人に結びついた強く残っている面白かった瞬間が再生→笑いが先に出る、という流れにつながっていると感じます。

否定しすぎないほうが落ち着いた

笑ってはダメだ、と強く否定するほど、私の場合は意識が固まり、反応が強くなることがありました。

そこで「今は頭の中で過去の記憶ばかりに注目している」とラベルを貼るほうが、心身が落ち着くことが多かったです。

私のその場しのぎの工夫例

以下は、私自身が楽になったと感じたやり方です。

  • 視線をずらす
    • 反応の対象ではなく、壁や物など別の対象に焦点を移します。
  • 場面にラベルを付け直す
    • 今は雑談、今は説明を聞く時間、など頭の中で文脈を再設定して、連想の再生をいったん切ります。
  • ゆっくり息を吐く
    • 吐くほうを長めにすると、体の緊張が下がって笑いの波が小さくなることがありました。

過去の記憶で頭がいっぱいになることがある

いきなり笑ってしまう背景には、過去の場面を思い出すことに頭を目いっぱいに使いすぎて、今ここにいる感覚が薄くなっていると感じます。

頭の中で過去の映像が強く再生されると、現在とのギャップで可笑しさが増すことがあります。

今私は、過去のことに頭を使いすぎているかも、と気づくだけでも少し冷静になれました。

体験のまとめ

  • 特定の人を見ると笑ってしまうのは、反射に近い反応として起きることがある
  • 部分的な手がかりが連想の近道になり、笑いのスイッチが入ることがある
  • 否定よりもクセとして扱うほうが、落ち着きやすかった

もし似た体験がある人がいたら、自分だけじゃないかも、と感じてもらえたらうれしいです。