自閉スペクトラム症(ASD)の私が「疲れにくい暮らし」を作るまで|感覚過敏について

ASD

※本記事は個人的な体験や感想であり、診断・治療を定めるものではありません。必要に応じて医師や専門家にご相談ください。また、誰にでも同様に効くとは限りません

はじめに

日常生活の中で、光や音、寒暖差といった感覚刺激によって急に体力が落ちることがあります。

以前は「根性で乗り切る」ことを試みましたが、結果的には事前の対策が一番の近道だと気づきました。

この記事では、私自身が試してきた工夫や対策を、実体験とともにご紹介します。


光過敏による疲れを減らす工夫

明るすぎる部屋は体力を奪う

私は部屋を自分にとってちょうどいい明るさにしていると、家族や周囲から「暗くない?」「電気つけないの?」と言われることがあります。

しかし、明るい部屋で長時間作業をすると、普段より早く疲れがくる感覚があります。

特にスマートフォンやパソコンの画面を高輝度で長時間見ると、目の奥が痛くなり、ひどい時はめまいがすることもあります。


光対策グッズの活用

  • サングラス
  • ブルーライトカット眼鏡
  • ディスプレイの輝度調整
  • 耳栓やイヤーマフ(光だけでなく情報量全体を減らす効果)

意外かもしれませんが、耳栓をすると感覚刺激の総量が減って光の負担も軽くなる場合があります。

これは「光そのもの」というよりも、全体の情報処理負荷を減らす効果だと感じています。


人込みでの疲れを最小限にする方法

昔から人込みが苦手

私は小さい頃から、スーパーやイベント会場など人が多い場所が苦手でした。

最初は大丈夫でも、しばらくすると立っていられなくなり、車の中や休憩場所で休む必要がありました。

学校でも全校集会などの長時間立ちっぱなしの場面では、途中で座り込むことがよくありました。

当時は体力の問題だと思っていましたが、今では感覚過敏による疲労が原因だったのだと理解しています。


人込み対策

  • 時間帯をずらす(混雑する時間を避ける)
  • 帽子・アイマスクで視覚情報をカット
  • 耳栓・ノイズキャンセリングイヤホンで聴覚刺激を軽減
  • 短時間滞在を意識する

大人になってからは、こうした対策のおかげで、体調を崩すことはほとんどなくなりました。


寒暖差の感覚が鈍く、体調を崩す理由

気づかないうちに体温調節が追いつかない

私は季節の変わり目や急な天候変化で、服装が合わないことがあります。

寒さや暑さに気づくのが遅く、手がかじかんだり、大量の汗をかいたりしてからやっと異変に気づきます。

昔は「寒くないの?」と聞かれても本当に寒さを感じず、「寒くない」と答えていました。


しかし、振り返るとそういう時期に体調を崩すパターンが多くありました。


寒さを感じないのではなく、寒さを適切に感知できずに疲労や不調が蓄積していたのだと思います。


寒暖差への備え

  • 冬は重ね着を基本にして、暑ければ脱ぐ
  • 夏でも薄手の上着を持ち歩く
  • 天気予報や気温情報を朝と外出前にチェック
  • 室内外の温度差が大きい施設では休憩を挟む

こうした準備をすることで、寒暖差による体力消耗を防げるようになりました。


今までの経験から分かったこと

  • 感覚過敏は「刺激の種類」だけでなく「情報量の総量」で疲労が増える
  • 光・音・温度などのどれかだけでなく、複合的な刺激が疲れを早める
  • 「体力の問題」だと思っていたことが、実は感覚処理の特徴に起因することもある

まとめ ー小さな工夫が暮らしを変えるー

ASDである私は、日常の中で「ちょっと違う感じ方」をすることが多くあります。

しかし、自分なりの対策を見つけることで、生活は確実に楽になります。

  • 光の調整と情報量のコントロール
  • 人込み対策と滞在時間の工夫
  • 寒暖差を意識した服装と準備

これらは大きな負担を減らすきっかけになりました。

感覚過敏に悩んでいる方は、まずできる範囲の小さな対策から試してみてください。


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